書名:風のかたみ
著者:葉室 麟
発行所:朝日新聞出版
発行年月日:2017/3/30
ページ:241頁
定価:1500+税
女医をモデルに江戸時代の武士道、家をまもる、生き様をテーマにした作品で安見藩の藩主と同族の佐野家当主の了禅と一族の男子は藩主に叛旗を翻し男達は上意討ち(主君の命を受けて、罪人を討つこと。 )となっていた。世継ぎ問題を巡ってのお家騒動か?生き残った了禅の妻ら佐野家の女たちは白鷺屋敷に軟禁されていた。
九州豊後・安見藩の女医である桑山伊都子は、目付方の椎野吉左衛門から藩の重臣である佐野家一族の女たちを“生かす”よう命ぜられる。
上意討ちにあった一族は普通女子供といえど生きていくことは難しい。了禅の妻、息子の妻たちの生き様を描いている。しかし著者にとってはちょっと筆が進んでいない。暗い暗い作品。そして山も谷もない何となくつまらない作品。なにが言いたいのかよくわからない感じがした。
福永武彦が1968年に発表した『風のかたみ』という同名の作品があります。参考まで
『今昔物語』に題材を得て無常観を根底に描いた作品で「平安時代、立身出世を夢見て百鬼夜行する京の都へやってきた実直な青年。彼の主家の娘へ寄せる一途で激しい想いと娘の秘めた初恋が引き起こした若者たちの悲劇の顛末を描いた王朝ロマン。