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松蔭日記 女流文学全集 第1巻

書名:松蔭日記 女流文学全集 第1巻
著者:正親町 町子 古谷 知新
発行所:文芸書院
発行年月日:大正7年10月30日
ページ:580頁
定価:非売品

女流文学全集 第1巻に納められた松蔭日記(59頁から284頁)を読んだ。正親町町子は江戸幕府の大老格・柳沢吉保の側室・歌人・文学者で、柳沢家の出来事を日記風に25年綴られたものです。平安時代の平家物語に倣って記した日記文学と言われている。江戸時代における宮廷文化として注目されている。

松平吉保のサクセスストーリーを側室が書き綴っている。豊臣秀吉も大化けした怪物ですが、出自が良くない松平吉保が一気に大老格まで上り詰め、実権を握った立身出世した人物です。その側室が柳沢吉保の身辺の事を詳細に記録したような日記です。柳沢吉保のことをたいそう褒めています。大和郡山藩として明治期まで残った柳沢家の出発点となる時期の日記です。六義園は柳沢家の上屋敷です。田沼意次は完全に没落してしまいましたが、柳沢吉保は生き残りました。この本は活字化されていますので一応読むことが出来ます。意味は?古語辞典などの助けが必要です。なかなか格調高い文章です。「あずま源氏物語」とも言われているとか?

「松家気(松かげ)」は松と松に絡みつき花を咲かせる藤を指し、天皇や将軍・吉保など一連の人物を松の木と藤に例え繁栄を願った意図があると考えられている

正親町町子は権大納言・正親町公通の異母妹とされる。その他説もあり。16歳で江戸に下り、将軍徳川綱吉の側近である柳沢保明(のち吉保)の側室となる。一大名の側室としては家格が高すぎるため、母方の姓である田中氏を名乗ったという。吉保との間に柳沢経隆・柳沢時睦の二男がいる

国立国会図書館デジタルコレクション - 女流文学全集. 第1巻(松蔭日記)
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/957683
松蔭日記(古文書)
http://base1.nijl.ac.jp/iview/Frame.jsp?DB_ID=G0003917KTM&C_CODE=0008-000401