書名:仇敵
著者:池井戸 潤
発行所:講談社200
発行年月日:2018/3/22
ページ:373頁
定価:590円+税
大手都市銀行の次長職から或る事件の責任をとって大手銀行を退職。地方銀行の庶務行員となった恋窪商太郎。駐車場の整理とフロア案内の傍ら、融資に悩む後輩社員へアドバイスする…そんな日々に、今までの銀行員生活からは考えられない「人間らしさ」を取り戻した恋窪だったが―。
そんな恋窪商太郎の前に以前の事件の影が忍び寄ってくる。「正義」を求めたばかりに組織を弾き出された男が、大銀行の闇に再び立ち向かう!、男の闘いを描く銀行ミステリー!短編の小説を読んでいくと全編が見えてくる構成になっている。2003年前後の武蔵小杉周辺、新丸子、自由が丘、東横線沿線を舞台に描かれている。武蔵小杉はずっと勤めていた土地勘のある場所、懐かしい感じで読んだ。
勿論2003年頃だとまた高層ビル、タワーマンション、横須賀線の武蔵小杉駅もなかった。時代南武線と東横線、NECの玉川事業場は1階建ての工場工場していたところだったのが、突然、26階建ての高層ビルが建った。川崎市の条例が変更されて高層ビルが建てられるようになった。でも今のタワーマンションの乱立、ビル風の脅威、横須賀線の武蔵小杉駅に大混雑とこの小説の舞台だった時代とは大きく様変わりしている。
本書目次より
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■庶務行員
■貸さぬ親切
■仇敵
■漏洩
■密計
■逆転
■裏金
■キャッシュ・スパイラル
●解説/霜月蒼