書名:報道事変
なぜこの国では自由に質問できなくなったか
著者:南 彰
発行所:藤原印刷
発行年月日:2019/6/13
ページ:216頁
定価:790円+税
映画「新聞記者」の上映を記念して出版された本です。
東京新聞・望月記者の官房長官の会見では、露骨な圧力、質問妨害、時間削減が当たり前、質問に答えない。事実を調べて質問しろという。とんでもない記者会見の現状を事細かに綴っている。著者は元朝日新聞記者。政府と番記者のなあなあの関係の中で、自由に質問できない環境ができつつある。そんな中で果敢に事実に迫ろうとする東京新聞の女性記者と、彼女を排除しようとする政府、そんな政府に与する産経新聞、そして見て見ぬふりでただパソコンのキーボードをたたいている他の記者たちの話は生々しい。この国では民主主義という言葉はない。そんな酷い実態が綴ってある。この本と映画「新聞記者」見ると透けて見えてくる未来が暗いものになった。メディアが悪いのか政治家が悪いのか?国民が悪いのか?面白くない世が来そうな気配です。
日本の政治報道は、なぜこうも甘くなったのか
https://toyokeizai.net/articles/-/295552
新聞労連中央執行委員長(元朝日新聞政治部記者) 南 彰氏に聞く
『報道事変 なぜこの国では自由に質問できなくなったか』を書いた
https://premium.toyokeizai.net/articles/-/21218
本書より
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目次
第1章 答えない政治家(元号発表の記者会見
4カ月ぶりに会見場で行われた首相単独の記者会見ほか)
第2章「望月封じ」全詳報(記者のいない会見
「答えたくない質問には答えなくていい」ほか)
第3章「ウソ発言」「デタラメ答弁」ワースト10(「誤報」の脅し
1「週刊誌に売ること自体が犯罪だ」ほか)
第4章 文書が残らない国(「首相動静」を根拠にする首相
政治環境に左右される公文書ほか)
第5章 記者クラブ制度と「連帯」(新聞労連の「可能性」
小泉進次郎氏が突きつけた記者クラブの無力ほか)
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「はい、次の質問」。露骨な圧力、質問妨害、時間削減──閣僚はじめ政治家の会見で何が起こっているのか。政治部記者として歴代官房長官を500回以上取材した著者が、「もう自由に質問できない」この国の今に警鐘を鳴らす。
いま政治取材の現場で何が起きているのか。「質問できない国」の内側を暴く。不都合な質問を封じ、日に日に軽視される記者の質問。巨大化する権力の揺さぶりに、記者はどう立ち向かうべきか。そして、何がこうした政権の横暴を可能にしているのか。政治部記者として歴代官房長官会見を500回以上取材した著者が、嘘や強弁がまかり通る政治の現状に警鐘を鳴らす。