新・水滸伝 全6巻合本版
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書名:新・水滸伝 全6巻合本版
著者:吉川 英治
発行所:講談社
頁数:1476ページ
発売日:1989/6/2
定価:99円 Kindle版
吉川英治が晩年生涯最後の未完で終わった名作『新・水滸伝』全六巻をようやく読み終わった。
中国は宋朝の時代、勅使として龍虎山に派遣された洪信は、厳しく禁じられた石窟の中を掘ったため、封じられた百八の魔星はどっと地上に踊り出た。やがて、その一星一星が人間と化して、梁山泊をつくり、天下を揺さぶる。――これが中国最大の伝奇小説「水滸伝」の発端である。
吉川英治の「新・水滸伝」は、この中国古典、奇書の世界を思うままに意訳して吉川英治の世界を作っていく作品です、宗という国の乱れが、その反動として梁山泊という世界をつくり、一つ一つの星の下、108人の人々が集ってくる。そのいきさつ、過程を順次描いていく。伝奇小説「水滸伝」は後半部分には集まった108人の行く末が書かれているが、消滅していく話は何となく人気が無かったようで、
前半の108人が集まってくるところに人気があった。中国では天子の徳によって世界が築かれ、徳がある皇帝であれば繁栄する。そして徳のないものであれば国乱れ、革命が起こる。そしてその皇帝は滅ぼしても良いとされている。そんな中国の物語、必ず根絶やしにまで滅ぼすという世界。したがって一つの王朝が滅ぶと、歴史は無くなってしまう。中国という国は長い長い歴史があるという錯覚があるけれど、中国の歴史は中国共産党が支配した時からが中国の歴史、それ以前の営みは滅んでしまっている。したがって中国には歴史がない。(西洋で言う)。中国の歴史は今の政権が考えていることが歴史。と理解すると凄く判りやすい。純歴史学なんてないと思えばわかりやすい国だと思う。それは三国志の時代から、水滸伝も春秋も読めば見えてくる世界。いつも今のことしか考えてない。国家百年の計というのはなかったのでは。『新・水滸伝』には個性豊かな男達(ほとんど)が出てくる。人の性格、考え方、振る舞い方など見本市のように展開してくれる。人を見るには絶好の材料を提供してくれる。何故か戦いの場面と、捕らわれて遠路流される。何かことを起こすと、直ぐに逃げるわけではなく、刑に服そうとする。すると流される途中で殺されそうになって役人を殺して指名手配人になって、どこにも行くところがなくなって結果悪名高い梁山泊に集うことになる。そんな運命の糸に引かれた星々という設定になっている。
これを18歳の頃1度読んだことがある、久々に読んでみた。なかなか面白かった。全体で22時間くらい掛かった。電子本になると頁数は出てこないけれど、読んだ%、残り時間が出てくるので目安として使える。そして文字の大きさを見やすい大きさに調整出来るので今までの本より読みやすいと思う。最近は大抵の本がKindle版でも出ているので、一つの選択技として使える。紙の本は読んだ後場所を取るので、これは良い。