書名:世界史を変えた植物
著者:稲垣 栄洋
発行所:PHP文庫
定価:902円(本体価格820円)
世界史はモンゴルから始まった。それまで世界史的視点はなかった。この本は植物に注目して、その植物の視点から世界史を眺め直している非常にユニークな本です。衣食住は人間にとって大切なものその中でも、食は最重要ですね。その食、歴史の裏側で植物が大きな影響を与えていた。古代文明が植物によって生まれてきた。産業革命の原動力はある植物だった。人類の歴史は実は植物の歴史である。それがよくわかる本です。
・コムギ 一粒の種から文明が生まれた
・コショウ ヨーロッパが羨望した黒い黄金
・ジャガイモ 大国アメリカを作った「悪魔の植物」
・タマネギ 巨大ピラミッド建設を支えた薬効
・トウガラシ コロンブスの苦悩とアジアの熱狂
・ワタ 「ヒツジが生えた植物」と産業革命
・コーヒー 近代資本主義を作り上げた植物
小麦というのは1粒の種から30倍位の収穫量しかない。だからヨーロッパ、アメリカなどの農場はかなり広い面積がいる。だから大きな敷地に家が転々と人口密度の小さい暮らし方をしている。ところが米になると200倍から300倍採れる。だから農地であっても密になって人口密度の高い蔵し方をしている。それが出来る収穫量が確保出来た。米は食料でもあり、貨幣でもあった。富の再生線が可能となった。
人類は植物を利用しているのか?植物に利用されているのか?どちらか判らない。一読の価値がある本です。視点を変えると面白いですね。