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本に出会う

赤穂浪士

書名:赤穂浪士(上)
著者:大佛次郎(おさなぎじろう)
発行所:恒文社
発行年月日:1998/10/20
ページ:565頁
定価:1900 円+税

書名:赤穂浪士(下)
著者:大佛次郎(おさなぎじろう)
発行所:恒文社
発行年月日:1998/10/20
ページ:533頁
定価:1900 円+税

 講談、浪曲ではおなじみの赤穂浪士の物語。普通に考えると何でこんなに忠臣、義士などと騒がれるのか?多分仕掛け人が居たのではないかと真実とは違った誤解で広まった仇討ち話ではと勘ぐってしまう。吉良上野介は本当に悪い悪い人。疑問符がつく。この本では大石内蔵助が主君の敵として狙うのは表向きは吉良上野介、でも実際は吉良上野介の息子、米沢17万石城主上杉綱憲を巻き込んで上杉家と一緒に心中することを策略する。上杉家江戸家老千坂兵部、側用人柳沢吉保それぞれが隠密を放って赤穂浪士の動向を探る。赤穂浪士が主役だが、どこか冷めた目で見ている蜘蛛の陣十郎、堀口隼人、お仙の3人がうごめく。大佛次郎ははじめて読んでみたが、読むリズムに乗りにくい、読みづらい作家、物語の展開が少々下手な感じ、真面目に書いているけれど可もなく不可もないという感じがした。熱狂的なファンはあまりいないような気がする。久々に少しも進まない本でした。長い割りには中身が残らない本という感じ。余りにも赤穂浪士が知れ渡っているからかも知れませんが。