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須賀敦子が歩いた道

書名:須賀敦子が歩いた道
著者:須賀敦子・松山巌
発行所:新潮社
発行年月日:2009/9/20
ページ:127 頁
定価:1400 円+税

須賀敦子という人、ご存じの方もいるかと思いますが、私ははじめて知った人、若い頃イタリアに留学していて、谷崎潤一郎の「細雪」をイタリア語に翻訳したのをはじめ日本の作家の作品を翻訳していたり、大学の講師などを行っていた人ですが、60才前後に「ミラノ 霧の風景」で女流文学賞を受賞。気品のある文章で、何とも言えない文章を書くと言うこと、また坂のある街にひかれてイタリアのいろいろな街、彫刻、建築などを綴った文章が一時話題になった人。残念ながらもう故人ですが、短い期間に残された作品は良いものが一杯です。読んでいてほんのりとこころ休まる文章。でも鋭い視線を感じるそんな文章です。作品としてはそんなにないのでこれからぼちぼちと読んでみたいと思います。ちょっと外では出会えないそんな本です。