書名:地図のない道
著者:須賀敦子
発行所:新潮社
発行年月日:2002/8/1
ページ:177頁
定価:362 円+税
ヴェネツィアのゲット(貧しいユダヤ人街)を訪ねた著者がそこにある運河、橋などを巡りながら、ふるさと大阪の八百八橋を思い出しながら、ミラノで共に生きた良人、友人達の思い出を綴りながら、街の紀行文を書いている。水の都ヴェネツィアをイタリアを愛した著者が導いてくれる。著者の生きた時代をヴェネツィアを舞台に若い時の思いで、過去の街のようすなど時間を自由に移動しながらヴェネツィアを歩く、読者はどんどんとひき込まれてしまう。不思議な世界へ誘ってくれる。
じっくりゆっくり楽しめる文章です。短編なので読みやすい。でも奥は深い深い感じです。
ヴェネツィアの娼婦を描いた「ザッテレの河岸で」も併録されている。