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密告者

書名:密告者
著者:高木彬光
発行所:光文社
発行年月日:1991/12/5
ページ:376頁
定価:544 円+税

不況で証券会社をクビになった瀬川繁夫は、小さな販売会社を始めたが、旨くいかずに借金だけが残った。父親に借金を返して貰って、意気消沈しているところ、かつての恋人から、破格の待遇でセールスマンの仕事を紹介された。重役宅などの金持ち相手のマッサージ器の販売の仕事。破格の給料を貰いながら少しも売れない。そんなある日、化学会社を産業スパイせよと社長に命じられる。その化学会社は瀬川の大学時代の友人が常務を務める会社、その友人が絞殺される。被告と疑われた瀬川に掛かる疑惑を霧島三郎が見事に解決する。高木彬光の脂ののりきったときの本格推理小説。高木彬光の冴えが見える作品。高木彬光は一時凝って読んでいた作家。久々に楽しめた。