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えらい人はみな変わってはる

書名:えらい人はみな変わってはる
著者:谷沢永一
発行所:新潮社
発行年月日:2002/6/15
ページ:221頁
定価:1400 円+ 税

面白い人、奇妙な人、体内に熱を持つ人など変わった人を取り上げて紹介している。漱石、野村胡堂、高村光太郎、泉鏡花、正宗白鳥、島崎藤村、横光利一、菊池寛、川端康成、尾崎紅葉、吉屋信子、鉄幹と晶子、和田垣謙三、齋藤秀三郎、福沢諭吉など多彩な人々を取り上げて、それらにまつわる裏話をエッセー風に描いている。これだけ出て来ると全く知らない人もあってまた興味深く、調べてみたくなったりする。

新潮社、文藝春秋、岩波書店、講談社などのなりたち。村山龍平の朝日新聞の発足当初のころの話。「「朝日」褒めもせなければ罵りもせぬ。事実は事実としてこれを描き、虚位は虚位としてこれを描くので、その間少しも私心を加えず、私憤加えず、なるべく円満に、通徹に、綿密に、精緻に、殆ど漏れなく全豹を伝えようとしている。」当時、「二六新報」「萬朝報」等の新聞が大手だったとか。
校正の間違い
・主治医を主事医、頭蓋骨を頭骸骨、古い俳友だった三宅艶子さんを古い俳優だった三宅艶子さん、神経痛を神系痛
などなど今も昔も変わらない間違いですね。この本を読みこなすには少々勉強が必要です。なんといっても谷沢永一の読書量、読解力、批判力から出て来るものはのんびりと読んでいられない鋭さがあるように思います。