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歎異抄

書名:歎異抄
著者:唯円・親鸞述
訳者:川村湊 
発行所:光文社
発行年月日:2009/9/20
ページ:161頁
定価:533 円+ 税

歎異抄は親鸞が述べたことを唯円が書き留めたもの。もともとライブだった親鸞との対話。それをライブ感が良く出る関西弁で訳した書です。親鸞は「善人なをもて往生をとぐ、いはんや悪人をや」、「他力本願」などは誰でも知っていると思うけれど歎異抄は読んでもよく分からないというのがホンネではないでしょうか?最近ネットでも「親鸞」が注目されていますが、彼の言いたかったことをしっかりと理解出来た人はどれほどいるのでしょう。蓮如によって教団が組織として強固になった事によって「親鸞」の教えが段々違ってきているのでは?「親鸞」没後そんなことが起こるのではと心配をした唯円が残した歎異抄です。この訳を読むとホトケはんが身近に、気楽に感じられる。もともとホトケはんの教えはエリートが努力して勉強せなあかんものではないということがよく分かると思う。

----本書より----
「ええ奴が往生するんやさかい、まして悪い奴がそうならんはずがない。世間のしょうむない奴らは、悪い奴が往生するんなら、なんでええ奴がそないならんことあるかいなというとるけど、なんや理屈におうとるようやけど、それは「ひとまかせ=他力本願」ちゅうモットーにはずれとるんや。
「なんまいだぶ」と念仏して「あんじょう頼んます」と願えば往生できるや。