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職業としての政治

書名:職業としての政治
著者:マックス・ヴェーバー
訳者:脇 圭平
発行所:岩波書店
発行年月日:2004/7/5
ページ:121頁
定価:460 円+ 税

1919年に出版されたマックス・ヴェーバーの本です。マックス・ヴェーバーは言う「あらゆる政治行動の原動力は権力(暴力)である。政治は政治であって倫理ではない。そうである以上、この事実は政治の実践者に対して特別な倫理的要求を突きつけずにはいない。では政治に身を投ずる者のそうすべき死角と覚悟は何か」

政治家にとって重要な資質が三つあるという。それは(1)情熱と(2)責任感と(3)判断力である。。この判断力とは、集中力と冷静さをもって現実をそのまま受け入れることのできる能力、事物と人間から「距離」をおくことのできる能力のことである。たった100ページほどの本ですが、職業としての政治(これって今では殆どの政治家に言えるかな)。生活には全く困らない金銭的にも精神的にも余裕があって理想に燃えて政治家になっている人。ちなみに昔の王様は職業としての政治ではなかった。そんな時代が長く続いている。

世のため人のために政治を志すが、生活には困るのである程度の生活費は必要という人。政治によって生活の糧を得ている人。自分の興味、情熱で政治を行っている人の2種類があるという。ただどちらが良いというものではないが。生活に余裕がある政治家は理想論に走る。

この本を読んでいると90年前と今も対して変わらないことが、本質的なことは政治という泥くさい世界を清くしようと理想に燃えて、政治家の倫理、倫理を求めすぎると、一番大切な判断力、責任感、情熱がなくなって、とんでもない政治になる。政治とは戦い、権力だということをもう少し思い起こすべき。政府、政治家が大衆、国民に迎合ばかりしていてはとんでもない国になってしまう。大衆、国民に嫌われても判断し、実行するそんな政治家も出てくれないとおかしくなってしまいますね。