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あの世心得

書名:あの世心得
著者:永六輔
発行所:文藝春秋
発行年月日:2003/9/12
ページ:230頁
定価:1400 円+ 税

あの世心得。死亡記録といったもの。縁起でもないと思われるかも知れないけれど、人はいつか死ぬ。死亡率100%。先人の生き様を参考にするのもまた良いのではないか?死について先人はどう考えていたか?どう生きてきたか?いろいろな人の例をいっぱい綴ってある。人いろいろで色々な生き方がある。斎藤茂吉の母輝子「私もうすぐ死にます」「だから今のうちにアフリカに行ってきます」と出掛けてしまう。あっけにとられる茂吉と北杜夫。ついていない人高木養根(元日本航空社長)は京都大学在学中、滝川事件で検挙される。副社長になったとおもったら堀田庄三が会長に10年待たされて社長に。DC-8が羽田沖に突っ込み24人死亡。御巣鷹山にジャンボ機は墜落520人もの死者を出した。犠牲者の遺族にお詫びの全国行脚を行う。こんな一生もあるのですね。物集高見という人全く知らなかった。「群書索引」に30年、息子の高量を助手にしてドンドコの生活を送りながら完成させた。近代日本になるためには「言海」や「群書索引」がどうしても必要だった。天涯孤独。自炊しながら読書と思索のみ明け暮れた高量106才の生涯。壮絶な生涯。死の国から戻ってきた人は居ないので死後の世界はやっぱり先人も我々も初めての体験。戒名は閻魔様を騙すためにつけるもの。立派そうな名前がついていると極楽についつい送ってしまうらしい。はじめから立派な名前の人は戒名などいらないと著者はいう。