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朝幕併存と天皇教

書名:朝幕併存と天皇教
   井沢式「日本史入門」講座5
著者:井沢元彦
発行所:徳間書店
発行年月日:2008/12/31
ページ:324頁
定価:1500 円+ 税

平安時代末期平清盛は武士でありながら藤原氏と同じように貴族化していった。頼朝は武士の権利を認めさせるために征夷大将軍になることをしつこく後白河法皇に求めた。しかし後白河法皇が尊命の時は許されなかった。しかしその子後伏見天皇に無理矢理認めさせてしまう。ここに鎌倉幕府が成立した。本来は天皇家から権力を奪ったにも関わらず、天皇家を滅ぼして一族、血筋を根絶やしにしなかったのか?世界の常識では前権力者の血筋は根絶やしにするのが常識。お隣中国でも、ローマでも。しかし頼朝は天皇家は温存したまま「征夷大将軍」に固執した。その後室町幕府、江戸幕府もやっぱりそれを踏襲している。幕末に「大政奉還」という考え方が起こった。原因は頼朝の「征夷大将軍」だ。天皇家と幕府の併存、その仕組みを井沢流で説明してくれる。