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本に出会う

原 阿佐緒

書名:原 阿佐緒
著者:大原 富枝
発行所:講談社
発行年月日:1996/4/2
ページ:186頁
定価:1650 円+ 税

明治に生れ、大正、昭和を生きた女性のなかには、男社会であった当時の社会の眼によって、真実の人柄とはちがった女性のように評価され、それが定着してしまっている気の毒な人物がいると思います。原阿佐緒はその中の最たる1人です。いつか、誰かが、ほんとうの彼女を、今日の公正な眼で見直して、ありのままに描くことによって、真実の姿を正しく評価しておくことが必要だと考えます。──「あとがき」より

と作者の「あとがき」にあるが、「新しき女」「新しき村」などの大正ロマン時代なんでも「新しき」とつけてさも流行の先端を行っていた時代。与謝野晶子、岡本かの子などと同じように人間としては全く失格、でも作品だけは凄いという例の典型ではないか?人を見ないで作品だけが光るそんな感じの波乱に富んだ人生を送った女性でした。歌人たちとの悲恋、自殺未遂、結婚、離婚…。それゆえに時には非難を浴びた阿佐緒。やっぱり現代でもかなり非難を浴びるでしょう!南に仙台市を接する大和町宮床で生まれた女流歌人。大和町はなんども出張で行ったことがあったので情景を浮かべながらよみました。

原阿佐緒記念館
http://www.haraasao.jp/