書名:虚構金融
著者:高嶋 哲夫
発行所:実業之日本社
発行年月日:2003/12/10
ページ:445頁
定価:1900 円+ 税
秋霜烈日。白菊の花弁の中に太陽の赤、赤は烈日。白は秋霜を意味している。このバッジは、どのような不正に対しても敢然と立ち向かう検察官の意志を尊重している。先日も検察のとんでもない事件が起こったばかり。「秋霜烈日」がキーワード。
有力地銀合併に絡む贈収賄事件で事情聴取を受けていた財務省キャリアの大貫が墜死した。その事情聴取をした東京地検特捜部の後鳥羽検事は、彼の死に疑惑を抱く、大貫の行動を個人的に追う。
都市銀行合併に関連して、銀行トップと金融庁長官、金融担当大臣の間で不透明な金の流れがあったことから、東京地検特捜部は周辺の捜査を行っていた。その捜査を続けながら、大貫のことを極秘に調べていくと大貫が改革派議員と組んで日本再生のために大掛かりな日米経済改革を行おうとしていたことを知る。本筋の合併疑惑の方は大臣にまで捜査の手が届かず、不本意な結果となったが、後鳥羽の独自調査の結果から予想もつかなかった日米の密約が浮かび上がってきた。
アメリカの国債を日本がどれだけ買っているのか?実は公開された資料だけでは、はっきりしたことが言えない。30兆円と言われているが、100兆円以上購入しているという話も?そんな密約の裏側にも触れているが、謎として残している。