書名:黄昏に歌え
著者:なかにし 礼
発行所:朝日新聞社
発行年月日:2005/3/30
ページ:504頁
定価:1800 円+ 税
なかにし礼といえば作詞家ですが、最近は作詞は休業中で、学生時代(立教大学)からなりたかった作家生活を送っているとのこと。この本は歌は、いかにして詩人の魂に舞い降りるのか?なかにし礼の生い立ち、満州牡丹江に生まれ、終戦時の引き上げ、父の死亡などを経て北海道に戻る。その後の軌跡を追いながら、学生時代にシャンソンの訳詩でアルバイトをしながら銀座「銀巴里」で出会った人々、シャンソンから歌謡曲を書くようになったきっかけは石原裕次郎との運命的な出会い。
美空ひばりのレコーディング風景。なかにし礼が語るとひばりの凄さが改めてわかってくる。銀巴里時代の丸山(美輪)明宏mpシャンソンの魔力。人の心に残る歌はいかにして世に出たか。ヒット曲がいっぱいで絶好調の時に、肉親の兄のお陰で借金地獄。この時期を中心に書いている。借金地獄で歌詞も浮かばない、仕事もする気にならない。自殺も考えている時期、どう乗り切ってきたか、閃きをどう取り戻したか?きっかけは「時には娼婦のように」だった。自伝的小説「兄弟」「赤い月」に続く完結編。昭和の歌謡史を綴ってくれている。