書名:辰巳八景
著者:山本 一力
発行所:新潮社
発行年月日:2005/4/20
ページ:302頁
定価:1600 円+ 税
江戸の街の庶民の暮らし、日頃の出来事を題材に、江戸を描いている。辰巳というというと深川芸者が辰巳芸者などと呼ばれるが、本所、深川あたり、お城からみて辰巳(東南)の方向を指します。永代橋、永代寺、門前仲町、木場、佃町、州崎などを舞台に描いています。山本周五郎のような感じもします。そこに江戸の町々人々が生きている感じが良く書けていると思います。半村良の「語り部」流に物語の展開の仕方も面白いです。この作家も最近初めて読み始めましたが、ちょっと光ったところがある作家です。今後注目したい人です。