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あかね空

書名:あかね空
著者:山本 一力
発行所:文藝春秋
発行年月日:2001/10/15
ページ:363頁
定価:1762 円+ 税

 京都の東山に生まれた永吉が、南禅寺そばの平野屋で豆腐屋に奉公して10年、豆腐職人としては一人前になっていた。でものれん分けして貰えるまでは優に20年はかかる。そこで江戸に出て、豆腐屋をやろうと、深川に出てきた。たった一人で一から江戸で豆腐屋を始める。江戸の豆腐は1丁が京都の豆腐に比べて4倍の大きさ、また堅さも固い。

江戸の庶民には不評の豆腐だった。そこで永代寺に売れ残った豆腐を寄進することから、永代寺に納める豆腐として採用された。永代寺の僧侶は京都出身が多かった。出会った時からいろいろ世話を焼いてくれていたおふみとやがて結婚し、豆腐屋を二人で助け合って経営していく。江戸の町人の生活を題材にほのぼのとした物語、明日に希望が出て来る作品、また人と人のご縁の不思議を描いている。直木賞受賞作品です。
 明けない夜がないように、つらいことや悲しいことも、あかね色の朝が包んでくれる

「あかね空」公式サイト
http://akanezora.cocolog-nifty.com/