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戦雲の夢

書名:戦雲の夢
著者:司馬 遼太郎
発行所:講談社
発行年月日:2006/05/15
ページ:486頁
定価:733 円+ 税

土佐二十二万石の領主・長曽我部盛親は関ヶ原の戦いでなりゆきで西軍にくみしたため一介の浪人の身に落ちた。謹慎の地として京都に居を定めた盛親は密かに再起の野望をもちながら陰忍生活を送る。大阪夏の陣に旧臣5000人とともに立ち上がったが、大きな器量を持ちながら乱世の流れに乗れなかった悲運の武将を司馬遼太郎流に描いている。

関ヶ原の少し前に元親が亡くなった。元親は遺言を残さなかった。後を継いだ盛親は訳もわからず、関ヶ原で西軍に、毛利と共に何も戦わず、領地没収となってしまった。勝敗の判ってる大阪冬の陣、夏の陣には武将として自ら死に場所を求めて、真田幸村、後藤又兵衛などとともに参加した。夏の陣の初戦で藤堂高虎を徹底的にやつけるが、大阪方は敗戦。こんな悲運の武将の生き様を描いている。久々の司馬遼太郎です。ところ司馬遼太郎も大正10年代生まれで、学徒動員で戦争に徴収された世代だったのですね。改めて知った。