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本当は嘘つきな統計数字

書名:本当は嘘つきな統計数字
著者:門倉 貴史
発行所:幻冬舎
発行年月日:2010/11/30
ページ:217頁
定価:740 円+ 税

明治神宮の初詣客319万人、北海道のエドシカ生息数64万頭、いったいどうやって教えるか?飛行機の死亡事故発生確率は年間0.009、自動車は0.189と言われるが、「飛行機は自動車より安全」は本当か?

統計数字をつかってさも説得力があるように見えるが、実はうそがいっぱい。数字の前提、裏にある条件をみないで鵜呑みにしてはいけない。統計にはバイアスが掛かっている。心理的なバイアスも当然あるということを見極めないといけない。科学の領域でもその算出した式の条件をきっちりしないと再現性がない。

再現性のないものは意味がないか?実は解けない問題。でも社会学の中には妖しげな数字を本当らしく使って人を騙している場合がある。勿論科学も。そんな数字の嘘を見抜く方法ポイントなどいろいろな例を挙げて面白く書いてある。一気に読んでしまった。

初詣客のカウントは神社によって方法は別々、したがって比較することに意味がない。警察庁は昨年から比較しないことにした。飛行機、自動車の死亡事故発生確率は(距離・人)が単位になっている。ところが乗る回数で計算すると飛行機の方が確率は高くなる。視点をどこにおくか?注意が必要。結論が決まっていてそれにあう数字を作るということを平気でやっている。政党支持率、内閣支持率なども危ない。テレビの視聴率は???