書名:千年の黙(しじま)
著者:森谷 明子
発行所:東京創元社
発行年月日:2003/10/15
ページ:317頁
定価:1800 円+ 税
第13回鮎川哲也賞受賞作品。源氏物語が1000年もの間抱え続けている問題、謎。幻の巻「かがやく日の宮」この巻は何故消えてしまったのか?「雲隠」の巻、は本当に書かれたのか?古典ミステリー。
紫式部が主人公。当時の宮廷を中心に源氏物語を書いている紫式部の生活、出筆活動、写本が人々に広まっていく様子その構造などを日々の暮らしの中に書き込んでいる。「桐壺」「若菜」の繋がりがどうみてもおかしいと1000年来、謎とされてきた。その間に「かがやく日の宮」があったのではないかと言われている。その内容を推理して書いている。またそれが消された謎に関わった人物、それらを推理していく。当時の権力者藤原道長、中宮定子、藤原彰子、枕草子の清少納言なども登場してなかなか面白い。紫式部の生活がかなりアットホームに書かれている。格式とか厳格とかはないのでちょっと庶民感覚的な感じがする。