書名:かりそめ
著者:渡辺淳一
発行所:新潮社
発行年月日:1999/11/25
ページ:367頁
定価:1500円+ 税
渡辺淳一といえば「失楽園」も有名ですが、不倫と官能の世界、若かりし頃恋人だった二人が、十数年ぶりに再会する。それぞれ家族も子供もいる家庭。著者の作品は20代、30代の女性が多いのですが、この作品は45歳の女性という設定。顔にメスを入れる。どうも悪性の癌らしい。こんな局面で女性はどうするか?不倫の相手の作家としてはただただ待つばかり。
本書より
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だから、せめて今だけは……。女は美に殉じ、男はそれを抱きとめた。
52歳の作家・久我と45歳の主婦・梓。十数年ぶりに再会し、狂おしいまでに互いを求めるふたりだったが、ある日、変調は訪れた。眼の異常を訴える梓。どうなろうとも愛を貫くと宣言する久我。しかし、その顔にメスを入れることになった梓が選んだ行動は……。死の気配におののきつつも、宿命に殉じようとする男と女。