書名:まとい大名
著者:山本 一力
発行所:毎日新聞社
発行年月日:2006/12/25
ページ:444頁
定価:1700円+ 税
亨保年間に徳川吉宗、大岡忠相によって江戸の火消しの組織化がされ47組の町火消しが生まれた。その組の一つ深川佐賀町の大川亭の親子2代徳太郎、銑太郎にわたる火消しの物語。「おとっつあんは、みんなのために命を懸けて火事を退治しに行くんだ……。」おのれの命とひきかえに町を守った父徳太郎。
幼いときからその背中を見て育った息子の銑太郎は、やがて一人前の火消しへと成長していく。炎の恐怖と闘い、火消しに体を張る男たちの誇り高い姿を描いた作品。
江戸っ子気質が良く書かれているけれど冷静な目で見ると意地、見栄っ張りがデフォルメして描かれているところもある。粋というのは少々厄介だ。自分の母が船から落ちて死にそうになっていても、他人の火事を先にする。町の人々は美談でたたえるが、???といったところが江戸っ子、火消し。