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本に出会う

山本五十六

書名:山本五十六
著者:半藤一利
発行所:平凡社
発行年月日:2007/12/16
ページ:422頁
定価:1800円+ 税

太平洋艦隊司令長官山本五十六の伝記、著者の半藤一利は新潟長岡の人、郷土の英雄ということで山本五十六びいきだと自認する。反対していた米英との戦争だったが、やるとなったら一気に行った山本五十六、でも海軍の主流ではない。明治以後賊軍の長岡出身、薩長の海軍にあって異端児。主流の反対を押し切っておこなった奇襲作戦真珠湾攻撃、でも外務省のとんでもないちょんぼで真珠湾を攻撃して1時間後の宣戦布告。でも作戦は思わぬ成功、でもあまりにも見事に勝ってしまったので、後の詰めもせずに南雲中将は戻ってきた。

この一回だけ山本五十六の活躍した時期、その後はミッドウェーでも、ガダルカナル戦でも見るべきものがない。この戦争を分析していくと日本としての戦略、落としどころがどこか。終戦交渉をどこでやるのか。全くシステム、戦略思考のないただ思いつきの戦争をしていた。山本五十六ですらそんな体たらく。トンデモない失敗した士官達がそのまま生き残って、どうしょうもないところまで突き進んでしまった。

いまも同じように落としどころを考えない。外交下手、政策と枚挙にいとまがない。これは伝統的なものか?