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秋霖譜(しゅうりんふ)

書名:秋霖譜(しゅうりんふ)
   森有礼とその妻
著者:森本 貞子
発行所:東京書籍
発行年月日:2003/7/5
ページ:454頁
定価:2800円+ 税

 明治二十二年二月十一日帝国憲法発布記念式典が挙行されるその日、明治政府初代文部大臣森有礼はその朝、自邸(永田町=現自民党本部)で暴漢西野文太郎に刺されて、翌日死亡。と言う場面から始まっている。森有礼といえば、教育勅語、日本語をやめて全て英語にとか。福沢諭吉などとは全く違ったタイプの人、すこし外国かぶれのように思っていた。
薩摩の郷士の生まれ、時代がこんな人物でも大臣にした。そんな典型という感じがする。著者森本貞子は1925年生まれ。流石文章力、漢字は凄い、やっぱり昔の人は日本語をきっちりと習っている。習得しているそんな感じがする。
 明治のはじめ、日本が結ばされた不平等条約、これを変更させるには富国強兵、国力を上げなければ、当時の政府の焦りが見えてくる。そんな中、森有礼、妻常の物語。ただ二人に関する資料も少ないのでこの著者の創作した物語。
なかなか面白いストリーに仕上げてある。