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眠りにつく太陽

書名:眠りにつく太陽
   地球は寒冷化する
著者:桜井 邦朋
発行所:祥伝社
発行年月日:2010/10/10
ページ:1780頁
定価:740円+税

地球温暖化、CO2犯人説に凝り固まっている人々が多いので、この桜井氏の寒冷化するという説は議論するに値しないとバカにされる人も多いかもしれない。しかしCO2犯人説も段々妖しくなってきている。また2000年頃からは地球の平均気温は殆ど変わっていない。上昇していないという事実もある。

人間のほうは大慌てだが、地球が暖かくなったり寒くなったりすること自体は珍しくない。10世紀半ばから300年ほどは大温暖期で平安時代などは平和な社会だった。13世紀末から19世紀半ばまで寒冷期に突入。この間、特に気温の低い極小期と呼ばれる小氷河期が何度か出現するのだが、歴史の動向から証拠を引き出しているのが面白い。この時期に冷害による大飢饉や人口減、ペストの流行、暴動が頻発しているのだ。

著者は太陽活動が地球の温度変動に影響を与えると考えている。太陽の活動の活発化、沈静化によって太陽の黒点の現れ方が違う。太陽に黒点がほとんどない時期、つまり太陽活動が極端に衰退した時期と合致する。このときは宇宙線が地球に降り注ぎ、雲の発生の原因となるイオンが多くなる。地球が水蒸気、雲に覆われると考えている。

では、現在の太陽はどうなっているか。著者が経験したことがないほど極端な無黒点状態で、もはや休眠寸前。この状態が長く続けば再び小氷河期が到来するだろうと言っている。これもひとつの仮説ですが、大気中に0.04%しかないCO2の増加よりは説得力があるように思える。異論も含めて真面目な議論をしていければ良いのであるが、最近の科学は決め打ち、魔女狩り的な強力な圧力が掛かる。またビジネスになってしまっている。学問の自由と権威を取り戻さないととんでもない社会が出現してしまう。いやしようとしている。100年もすれば今の理論は殆ど間違いだったということで、新説が出ているだろう。やっぱり自分なりに考えて見たいものである。