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持丸長者 幕末・維新篇

書名:持丸長者 幕末・維新篇
   日本を動かした怪物たち
著者:広瀬 隆
発行所:ダイヤモンド社
発行年月日:2007/2/1
ページ:370頁
定価:1800円+税

幕末・維新と言う時代を長者番付を参考に、歴史を分析している。幕末・明治という時代に長者がどのようにして金儲けを行ったか?また閨閥を作っていったか?を一つ一つ系図を作りながら金持ち、政府要人、成金の関わり方を分析している。ちょっと強引なところもあるが、面白い視点からの分析である。新しい時代を築いた人として幕末に活躍した人々は薩長の志士に隠されてしまっている。

小栗上野介は明治の原動力として基礎を築いた人。勝海舟などは幕臣の栄誉・名誉・手柄を独り占めにした。松下村塾はとんでもない人達を育ててきた。(東京へ東京へと地元よりも東京志向の出世主義の輩をいっぱいつくった。)薩長の志士は自分たちは金と名誉を手にしたが、地元は少しも潤っていない。徳川幕府の遺産、産業特に横浜の絹貿易から上がる膨大な資金をかき集めて明治維新の金庫に。明治の財閥の流れなども詳しい。ただどの財閥も政府要人としっかり繋がっている。また財閥同士の婚姻も大きな手段となっている。渋沢一族、福沢一族と。いろいろな産業にしっかりと食い込んでいる。また北海道は薩摩が切り取ったというほど北海道開拓で大儲けをしたのが薩摩。

今までの歴史の見方とは視点が違うので面白い。