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女にこそあれ次郎法師

書名:女にこそあれ次郎法師
著者:梓澤 要
発行所:新人物往来社
発行年月日:2006/1/31
ページ:509頁
定価:2400円+税

井伊氏の発祥の地、遠州井伊谷その周辺を井の国と呼ばれていたようです。今から1000年前、平安時代の中頃、その地に起こった井伊氏は鎌倉時代武家の名門として知られる存在となり、室町末期今川氏、斯波氏といった守護大名の葛藤の狭間で翻弄され続けていた。そんなとき次郎法師井伊直虎という一人の女性が主人公。のち徳川四天王の一と呼ばれた井伊直政の後見人、養母であり、地頭職を勤めた一国の領主。一端は今川氏真によって滅ぼされてしまった井伊氏の当時の当主でした。でも地元以外では殆ど知られていない存在。井伊直政は浜松城下で家康の鷹狩りの折り見出されたと歴史の中に登場するが、それ以前の井伊氏の歴史を踏まえた物語です。作者も実は女流作家です。読み応えのある本です。なかなか面白い。