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原発大崩壊

書名:原発大崩壊
著者:武田 邦彦
発行所:KKベストセラーズ
発行年月日:2011/5/24
ページ:223頁
定価:800円+税

2011年3月11日の東日本大震災が起こった。著者はその後すぐに自分のブログに連日マスコミには流れない貴重な情報を流し続けている。最近ではマスコミにも登場するようになったが、最初の頃はいわゆる御用学者ばかり。放射能の被曝は積分値(足し算)ということを言って、計算式まで示してみんなに呼びかけた。原子力施設の所長も務めたことのある著者なので、広瀬隆氏より技術については詳しい。説得力がある。

小出裕明助教とともにまともなことを言っている人だと思う。下記のブログで公開していることをまとめた本書である。テレビを見ているよりずっと判りやすい。
お母さん、お父さんの感覚で考えよう。譬え政府が安全だと言っても福島の野菜は子どもには与えるな。基準値以下でも積分(足し算)すれば超えてくる。空間、地面、内部被曝を考えると測定値の三倍と考えた方が良い。風評被害というのは正しい情報(良い情報、悪い情報を問わず)を知らせないから起きること。正しい情報が得られない以上自分で自分を家族を守しかない。そんな知恵を披露してくれています。ちなみに著者は原子力推進派(安全な)とのこと。

武田邦彦 (中部大学)
http://takedanet.com/

本書より
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なぜ常識では理解出来ない論理がまかり通るのか?
福島原発が震度6で破壊されても、2005年に稼働した東通原発が震度4で全電源を失っても「原発は地震では大丈夫です」ということで日本の他の原発を止めると言う話は出てこない。電力会社の人にとっては付近住民の被曝より原発のことが心配かもしれない。でも福島県を中心とした人たちは、原発はともかくとして、人生最大の災厄に見舞われている。それでも、政府は「なにもしない。なにもする必要がない」と言い続けている。もう政府は要らない。次回の選挙の時には意志を示すが、それでは間に合わないので、私たちは行動しなければならない。