書名:やきそば三国志
著者:加藤 文
発行所:文藝春秋社
発行年月日:2001/7/30
ページ:397頁
定価:1905円+税
インスタント麺業界の競争を描いている。山口浩三は開発畑を歩みつつ、大ヒット商品を多数提案。郊外の建て売り(港北ニュータウン)に妻と思春期の二人の子どもと暮らしている。インスタント麺の老舗東辰食品の若手企画部長。乾麺は東辰食品の得意とするところだが、チルド食品については後発で苦戦している。山口に社長直々にチルド焼きそばの新規開発を命じられる。
ライバルは恵比寿製麺、帝国漁業の二社。大学でマーケティングを専攻し、宣伝部に勤務していたが上司と衝突して山口の部署に配属されてきた下島恭介と2人で「たかがやきそば、されどやきそば」を開発する。最初は当面とライバルとまったくコピー食品と疑われてもしかたのない。やきそばを開発し、市場に投入、値段勝負として低価格路線で市場を荒らす。どこにでもある価格破壊戦略。その後荒れた市場に投入する焼きそばの開発を巡って展開する。なかなか面白いストーリー。