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官僚の責任

書名:官僚の責任
著者:古賀 茂明
発行所:PHP研究所
発行年月日:2011/7/29
ページ:222頁
定価:720円+税

公務員制度改革の必要性を訴えている古賀氏の最近の著書です。テレビマスコミでも紹介されているのでどんな人かは知っていたのですが、どんな事を考え、何をやって閑職に追いやられていたのか、辞職勧告などされているのかはよく分からなかった。この本を読んでようやくなっとく、現在の公務員制度に安住する人々からすれば相当危険な人間、絶対阻止すべき人間と見えるでしょう。公務員自身でその基盤となる制度を改革するというのは矛盾したところもあるが、著者の意気込みは凄い。ムダな規制、ムダな予算、ムダな団体、霞ヶ関は「人材の墓場」だ。と断言している。

 ただこの人はやっぱり頭が良すぎるので、人材の活用についても優秀な人、優秀な人を育成する。優秀な人を集めたプロジェクトとないものねだりの感じもする。バカな人材を使ってということは頭にないらしい。理屈が先行している感じがする。また高度成長期と同じように公務員にも効率、経費削減を求めているが、こんなものは民間ならば20年前にやっていたこと。公務員の世界では新しいかもしれないけれど。大騒ぎするほどのものではないような気がする。
 この人もやっぱりエリート、口では公僕と良いながら、やっぱり国民、同僚、上司、大臣等を上から目線で見ている。やっぱり閑職に追いやった視点も成る程という気もした。

本書カバーより
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「霞ヶ関は人材の墓場」
著者はそう切り捨てる。最高学府の卒業生、志を抱いて入省したはずの優秀な人間たちが集う日本最高の頭脳集団。しかし彼らの行動規範は「国のため」ではなく「省のため」「利権拡大と身分保障にうつつを抜かし、天下りもサボタージュも恥とは思わない。
いったいなぜ官僚たちは堕落の道をたどるのか?逼迫する日本の財政状況。政策提言を失った彼らを放置すると。この国は終わる。政官界から恐れられ、ついに辞職を迫られた経産省の改革派官僚が閉ざされた伏魔殿の生態を暴く。