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日韓併合の真実

書名:日韓併合の真実
  韓国史家の証言
著者:崔基鎬(チュ・キホ)
発行所:ビジネス社
発行日:2003/10/20
定価:1600円+税

著者は韓国の大学教授です。「今日の韓国の繁栄は日韓併合によってもたらせられた!」と言い切る勇気を持った人です。日韓併合の歴史を前王朝高麗を倒して李氏朝鮮(518年続いた)の成り立ちから、日本の江戸時代の歴史を比較しながら著者独特の視点で明解に切っていく。1923年生まれということで、戦前の韓国(日韓併合)、戦後の韓国の両方を経験している人の発言だから重いところがあるように思う。欧米列強が虎視眈々とアジアを狙っていた時朝鮮の国王、幹部(両班)達の行ってきたことは日本の幕末の人達とは全く違う。国、民など全くそっちのけで権力争い。浪費、贅沢三昧読んでいて反吐がでるような行動をとっていた。日本が併合しなかったとしたら間違いなくロシアに併合されてしまった体たらく。もう少し時間が必要かも知れないが韓国に人達が冷静になって自分たちのことを振り返ったときに真実が見えてくる。そんな貴重な資料、証言だと思う。今の北朝鮮はまさに併合前の朝鮮と同じ。特権階級は国民が餓死していても浪費、贅沢三昧。金大中大統領も大統領になったら即、自分の一族を取り立ててみんなで金儲け、腐敗した政治。盧泰愚大統領も同じ、未だに併合前の遺伝子は抜けきっていない。このキーワードは儒教の原理主義が影響していると看過している。忠ではなく、孝を限界まで追求し行き着いたところがここに見えるのではないでしょうか?自由、博愛と絶賛されるフランス革命でも、餓死を含めて国民の一割以上が無くなってしまった。それに比べれ欧米列強に対しては一枚岩で国作りに励んだ先人との違いに唖然とします。

本文より
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「李氏朝鮮症候群」といえるような癒しがたい宿痾に襲われることになる。
その症候群の第一は仏教を禁じることによって捨てて、儒教のなかでも最も原理主義的といわれる朱子学を、国教として採用したことである。・・・・・中略・・・・・・・更に悪いことに「事大主義」を掲げ、中国の属国に成り下がったことだった。その二は、両班制度と科挙の存在である。科挙の門戸は形の上だけ開かれていたが実際は閉ざさたのと同じだった。・・・・中略・・・・この結果として、階層の流動化が全く乏しく、社会が停滞して、活力が失われた。・・・中略・・・・国王と支配階級であった両班は、絶え間ない権力闘争にに血道を上げるかたわら農民を中心とした常民を徹底的に搾取し、国の経済が疲弊するのにいささかも考慮することなく、浪費と贅沢三昧に耽った。