書名:くじら組
著者:山本 一力
発行所:文藝春秋
発行年月日:2009/3/15
ページ:384頁
定価:1700円+税
今までの作品とは少し毛色の違った作品です。作者の故郷高知、土佐の物語。時代は幕末期土佐・津呂浦の鯨組がアメリカの蒸気船を発見。藩に知らせようと津呂浦の漁師、藩の役人を乗せた勢子舟を出すが、高知に向かう途中巨大なマッコウクジラの襲撃を受ける。そこで漁師がクジラに命を奪われてしまう。このクジラを宿敵として名付けられた名前は「黒船」、この巨大マッコウクジラは非常に頭が良くて、漁師の裏をかく行動を取る。ある日津呂浦の浜近くに打ち上げられた「黒船」、漁師達は宿敵であっても全員でクジラを網で救出して救う。
その後江戸に土佐・津呂浦の鯨組が幕閣から黒船対策のためにお召しがかかる。途中嵐になって方向を失った勢子舟の前に巨大マッコウクジラ「黒船」が出現、安全な航路に導いてくれる。漁師の人情味、男気溢れる作品。