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空白の桶狭間

書名:空白の桶狭間
著者:加藤 廣
発行所:新潮社
発行年月日:2009/3/25
ページ:278頁
定価:1600円+税

この作品は歴史ミステリーです。織田信長の最大の危機だった桶狭間の戦いはなかった。今川義元が京都へ、それに伴って尾張は壊滅的な状態になるはずだった。織田家中はの相互不信、玉砕主義とけんけん諤々の議論、剛毅で振る舞う信長でもさえ、内実は判断停止状態に。そこへ木下藤吉郎の一世一代の策略。その策略(今川義元へ降伏する・・ポーズ)を受け入れる信長。木下藤吉郎の出自は山の民、その一族が影となり桶狭間の野に展開する。秘策とは。

この小説で山の民というのは藤原道隆(道長の兄)を祖として山間部に暮らし、山地で生業を営む人々のことで、藤原氏に繋がる藤吉郎は丹波で修行を3年ほど行っていた。武術や生活知を活用して精鋭集団を組織する山の民に藤吉郎から秀吉になってもいろいろと支援されて出世していく。大胆な発想で桶狭間の戦いのウラを読む、驚異の歴史ミステリーです。


大逆転創出の秘策とは 加藤廣著『空白の桶狭間』~書評
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/1102