書名:原発・放射能 子どもが危ない
著者:小出 裕章・黒部信一
発行所:文藝春秋
発行年月日:2011/9/20
ページ:222頁
定価:760円+税
小出さんと黒部さんが章を分けて共同で書いている。特に黒部さんの方は医療の立場から放射能が身体にどう影響を与えるか?について詳しく説明している。人間の細胞は60兆個、1mSV/yという被曝量はこの60兆個の細胞一つ一つを通過していく規模の放射能であること。これで全て破壊されるということではないが。これより多い被曝量だと1回ばかりではなく、何回も通過して行く事になる。また放射能被曝ですぐガンの事が出て来るが、すべての細胞に影響を与える可能性があるのでガン以外でも健康障害が出て来る(ただし因果関係は証明しづらい)元気が無くなる。食欲がなくなる。倦怠感等など弊害が出て来る。甲状腺ガンは死亡率は少ないが、その後のアフタケアが欠かせなくなる。
原発事故で避難し遅れた双葉病院の高齢者達の死もやっぱり被曝の影響。農家の人の自殺も等を考えると原発事故で死者は出ていないというのは詭弁。今後5年、10年、30年に渡って出て来る各種症状の可能性が書かれている。もう少し将来の事を知りたい人にはもってこいの本ではないかと思う。人生をどう過ごすか?幸福とは?を厳しく問いかけれている。右肩上がりのエネルギー消費を続けていくことに対して真剣に考えるべき時が来ている。当然、経済成長も右肩上がりはどこかで破綻をする。秋の夜長にじっくりと立ち止まって考えて見たいものだと思う。