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本に出会う

天地人

書名:天地人(上) 
著者:火坂 雅志
発行所:NHK出版
発行年月日:2006/9/25
ページ:381頁
定価:1800円+税

書名:天地人(下) 
著者:火坂 雅志
発行所:NHK出版
発行年月日:2006/9/25
ページ:421頁
定価:1800円+税

 直江兼続の生涯を描いた作品、NHK大河ドラマの原作。上杉謙信が亡くなった越後春日山城は後継者争いで、養子上杉景勝、上杉影虎の戦い。後継者を決めずに亡くなってしまった謙信。謙信時代は謙信を中心に一致団結していた越後もその次の代では家内を二分する大きな争いとなった。そして景勝が後継者に決まるが、後味の悪い決着だった。景勝に仕える直江兼続の物語。謙信亡き越後の危機は信長の越後侵攻、武田、北条軍の侵攻とつぎつぎ続く、その中を知謀と勇気と決断力、判断の基準は「義」、謙信以来の「義」のこころ。「利」に付くのが殆ど、真田昌幸のように弱小豪族は「利」で動くしかなかった。ところ謙信は商業、鉱山等をもっていて巨大な財産をもっていた。金というと甲州武田が有名ですが実は謙信の越後は甲州にくらべものにならない位の金が産出する鉱山を保有していた。

 関ヶ原の少し前徳川家康が上杉攻めに、小山にいるときに石田三成が家康を弾劾した。これをもって西に引き返す家康を兼実は追跡しなかった。このとき責めていたら歴史はかわったかも。「義」にも劣る行為は上杉軍は行わなかった。今の人から見れば少しおかしく見える位頑なに「義」に拘っていた。そんな兼続を描いている。