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本に出会う

英雄ここにあり

書名:柴田錬三郎選集10
  柴錬三国志 英雄ここにあり(上)
著者:柴田錬三郎
発行所:集英社
発行日:2000/8/10
定価:3300円+税

書名:柴田錬三郎選集11
  柴錬三国志 英雄ここにあり(下)
著者:柴田錬三郎
発行所:集英社
発行日:2000/8/10
定価:3300円+税

 柴田錬三郎という作家はよく知っていたのですが、なぜか読む機会がなかった作家です。三国志を書いた英雄ここにありという本を見つけましたので、読んで見ました。吉川英治の三国志と比べて少し三国志演義に近い感じで、始めて読む人には登場人物、中国の各地の地図が浮かびづらい感じの筆の運びです。三国志演義、吉川英治の三国志などを読んでいることが前提で書いてあるという感じの所もあるように思います。(この作品で吉川英治賞を貰った)
 魏の曹操、呉の孫権、蜀の劉備の国盗り物語はいつ読んでも新しい発見があります。孔明の活躍、その他登場人物が一杯、その中に多分、読者の一人一人に比定できる人がいるとか。天の曹操、地の孫権、人の劉備と言われていますが、長い目で見ると地>天>人の順序になるような気がします。人と人の輪、人を大切にと言いながら人を重要視しすぎると世代交代には弱いところがあるように思う。地、地縁というのが長い長い目で見ると一番強い。そんなことを思わせる。柴田錬三郎というと眠狂四郎ということもあってちょっと時代が違っていたのかも知れません。じっくり柴田錬三郎を楽しんでみたいと思います。