書名:彫辰捕物帖(上)
著者:梶山 秀之
発行所:論創社
発行年月日:2008/5/20
ページ:398頁
定価:2200円+税
書名:彫辰捕物帖(中)
著者:梶山 秀之
発行所:論創社
発行年月日:2008/6/20
ページ:413頁
定価:2200円+税
書名:彫辰捕物帖(下)
著者:梶山 秀之
発行所:論創社
発行年月日:2008/7/20
ページ:406頁
定価:2200円+税
我が国独自の探偵小説とも言われる捕物帳(捕物帖)は岡本綺堂の「半七捕物帳」から始まるとされる。そんな捕物帳の中でも江戸時代中期を舞台に描く江戸風俗が満載の艶笑時代小説の傑作。刺青師”彫辰”が江戸で起こる怪事件を八面六臂の大活躍で謎解きする。短編集。江戸の風俗が面白い。
いろは四十八組というが実際には「”へ・ら・ひ”」の三組はなく、そのかわりに”百・千・万”の三組が加わり、町火消は組織されていた。また深川や本所は別に一組から十六組の町火消があったというからなんと六十四組の鳶の者が江戸には犇めいていたことになるわけだ。ガエン者のように、はじめから裸で火消しにはあたらないが、喧嘩などの場合、勇ましい刺青を見せようと、裸になりたがるのはこれは当然だろう。その刺青の風習に、輪をかけたのが、十一代将軍家斉公の上覧である。