書名:陽炎の島
著者:典厩 五郎
発行所:毎日新聞社
発行年月日:2001/5/20
ページ:380頁
定価:1800円+税
1933年3月、後藤象二郎に飛騨山中に強制移住させられた台湾高山族300名ばかり、昭和9年の室戸台風の山津波によって大半の人々が亡くなってしまう。生き残った末裔が太平洋戦争に翻弄される。
2000年12月、人生に絶望した映画脚本家が最後に挑んだ大バクチ、現金奪取計画。博打場の現金を奪うという計画は3人で行った。被害にあった方も警察にも届けられないことを見越して大胆犯行を行う。現代と過去、時代の異なる二つの物語が段々と一つの物語なってくる。現代史の中に日本軍、本省人に翻弄された台湾高山族の末裔の歩んだ生き様が見えてくる。なかなか面白い作品です。