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業政駈ける

書名:業政駈ける
著者:火坂 雅志
発行所:角川学芸出版
発行年月日:2010/9/25
ページ:316頁
定価:1700円+税

箕輪城主・長野業政はほとんど知られていないと思う。先日「真剣 新陰流を創った男 上泉伊勢守信綱」を読んだとき上泉伊勢守信綱の仕える名君としての長野業政を知った。時は戦国時代、西上野(群馬県)は関東管領上杉憲政、小田原北条氏康、春日山上杉謙信が虎視眈々と狙っている。上州の地は弱小の群雄が割拠する。そんな中、西上野の地侍たちから盟主と仰がれた箕輪城主・長野業政は上州侍の誇りと意地を旨に、度重なる武田軍の侵攻にも果敢に立ち向かっていく。武田軍に勝つだけの実力はない。「義」の人上杉謙信をも動かす胆力をもって武田軍を撃退する。関東管領上杉憲政を越後に、上杉謙信の後ろ盾を要請する。武田・北条連合軍との戦いに上杉謙信の関東進出を請う。知らなかった長野業の「義」と「意地」「胆力」「の人、これど漢(おとこ)という感じがした。上泉伊勢守信綱も心から信頼していた理由が判る気がする。長野業政の生涯を描いている。