書名:異形の将軍 田中角栄の生涯(上)
著者:津本 陽
発行所:幻冬舎
発行年月日:2002/11/10
ページ:317頁
定価:1700円+税
書名:異形の将軍 田中角栄の生涯(下)
著者:津本 陽
発行所:幻冬舎
発行年月日:2002/11/10
ページ:351頁
定価:1700円+税
田中角栄の生涯を描いた作品。田中が亡くなって(1993)から少し落ち着いて書かれた作品。田中角栄については良く言う人、悪く言う人いろいろと多いが、比較的に冷静に描いているのではないかとおもう。少なくとも今の政治家とは全くスケールの違う怪物?政治がなんたるかを知っていたように思う。金権政治の権化のように言われた(三木首相など)でも「清く正しく美しく」で大成した政治家も実業家もいないことは事実。新潟の雪深い街を出て東京に上京した少年が総理大臣までなるストーリー、戦後のいろいろな事件、出来事と絡めて読むことが出来る。今の何も決められない政府、政治を見るにつけ、先人の知恵の一部でも煎じて飲む必要があるのではないかと思う。
田中角栄の特徴として
・官僚への独特の人心収攫術
・人間味ある政治家
・人が集まる陽生の性格、行動
・就職と結婚の世話で獲得した票は絶対にはなれない
・関連する法律が全部具体的なケースでヨコにサッと出てくる経験主義
・佐藤や福田にない機微を知る
・人に金を与えるとき、相手が予想しているより多い額を渡たす
・前に向かって進む時は強い(コンピューター附きブルドーダー)
逆に苦手なことは
守りに入るとすぐに諦めてしまう。(首相の地位)
刑務所の塀の上を歩くような危なっかしさがある。(踏み外せば塀の中)