書名:二河白道(上)
智臣本多正信伝
著者:羽太 雄平
発行所:実業之日本社
発行年月日:2002/12/15
ページ:454頁
定価:2400円+税
書名:二河白道(下)
智臣本多正信伝
著者:羽太 雄平
発行所:実業之日本社
発行年月日:2002/12/15
ページ:453頁
定価:2400円+税
本多正信は三河の国に生まれ、鷹匠として徳川家康に仕えた。しかし三河一向一揆が起こると一揆方の武将として家康に敵対した。その後出奔して諸国を流浪する。大和の国の松永久秀に仕えたとか、加賀の国で一向宗徒と石山本願寺と連携して織田信長と戦っていたともされている。この物語はこの本多正信の半生を描いた作品です。
戦国時代の三河地方を中心に描いています。そして徳川家康は2人いた。実は双子として生まれて、正史には2人の事蹟がでてくるのでは矛盾したものになっていると古今の資料を駆使して、家康2人説を述べる。
また明智光秀の謀反の原因、理由についても新たな説を唱えている。淡々とした語り口の中にしっかりと読者を捉えながら、物語の中に誘ってくれる。いろいろな仕掛けがおもしろい。
本書より
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「敵というのは、誰にとっても悪辣きわまりないものだ。卑劣な手段をもって、こちらを滅ぼしにかかる。その考え、その手段を一つひとつ打ち破っていかねば勝てないわけだが、勝ちつづけてみると、いつの間にか敵より卑劣になっている自分に気づくのだな」松永久秀
「浄土を目ざして西に行こうとする旅人の前には、南に火の河(怒り憎しむこころ)があり、北には水の河(むさぼりの心)があって渡れない。後ろからは群盗や怪獣が迫り来る。しかし、南北の河に挟まれて細く白い道が延びており、その先で阿弥陀仏が手招きしている。つまり旅人は、恐れや欲望をはねのけ、白い道をたどって浄土に至るのである。」二河白道