書名:三億を護れ!
著者:新堂 冬樹
発行所:徳間書店
発行年月日:2004/4/30
ページ:469頁
定価:1800円+税
うだつのあがらない学習教材会社に勤める河内は、営業成績いつも最下位、毎朝朝礼で上司から陰湿ないじめを受けている。そんな中ひょんなことから宝くじで三億円を当ててしまう!
当初は一人で誰にも黙っていつも通り仕事を続けていた。妻の文江と娘に思い切って切り出す。どこで聞き込んできたのか、妻の姉、両親、娘の彼氏などからも猫撫で声でお金を貸して欲しい電話が、勧誘の電話、不動産の販売訪問と河内の周囲の人間の動きが活発に。河内の三億円を狙う人間はそれだけではなかった。天才詐欺師雨宮は仲間を使って巧妙な罠を張り巡らす。でも詐欺師は雨宮グループではなかった。
これ以上のバカはいないという位のバカさ加減の河内に群がる金の亡者達、詐欺師同士の丁々発止のやり取り、どんでん返し、どんでん返しの連続。非情な詐欺師集団が動き出す!
お金は人を変える。人間の醜さ、愚かさをしつこく描いている。まぁ宝くじで三億円なんて当たっても非日常の生活が待っているだけで、「持ち慣れないお金を持たない方が幸せ」を感じさせる小説です。