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殺し屋はバスに乗る

書名:殺し屋はバスに乗る
著者:山本 音也
発行所:講談社
発行年月日:2003/8/29
ページ:407頁
定価:1800円+税

新宿歌舞伎町に徘徊するコールガールのカナコ、27才の田舎の高校を出て、東京で働き、人並みに恋人が出来て、結婚する約束も出来ていた矢先、やくざの出入りであっけなく殺された。恋人は警官だった。彼の残した借金の保証人になっていた、街金の借金はあっというまに、雪だるまに・・・そんな時、近づいてきた男(吉岡)に騙されて、客を取らされる事になる。そんなカナコが住むアパートの部屋を隣の空き地からじっと見つめる男(ガーシー)がいた。カナコのヒモ、喋れない青年と定年間近の刑事を巻き込んでカナコの運命は意外な方向へ。
新宿歌舞伎町を舞台にやくざ、小悪党たちの生き様を描いている。

カナコは彼らに目を止めてからガーシーを仰いだ。
「明日、長距離バスに乗ろう。分かる?言ってること。
一生懸命やったから、もうこれ以上困ったこと起きないよ……。」――本文より