書名:恐慌の歴史 ”100年に一度”の危機が3年ごとに起きる理由
著者:浜 矩子
発行所:宝島社
発行年月日:2011/11/24
ページ:284頁
定価:743円+税
なぜ恐慌は起きるのか?資本主義経済とともに表れた恐慌という悪魔の歴史をイギリスのビクトリア女王が君臨した時代からこの間のリーマンショックまでほぼ10年に一度の恐慌の歴史を振り返ってみる。そして東日本大震災でも復興と言われている。またリーマンショック以前まで経済の復興と言われているが、復興とはどこまで戻ればいいのか?リーマンショック以前と同じ状態までだと考えるのはおかしい。と著者は言う。基軸通貨としてのドルがニクソンショックとともにその地位を失っていくまで40年、その間、日本が主役にと言われた時期もあった。今では中国がとも言われているが、果たしてどうだろうか?
戦後のアメリカ、ドルはダントツの力を持っていた。しかしこれからの世界は1国がダントツの力を持つことはできない。TPP、EUでもわかるようにどこの国も自国通貨安を希望している。これは保護主義、鎖国主義、引きこもる国々が仲間を募ってそれ以外の国を排除するという構図が自由というキーワードを見せながら、引きこもってしまおうとしている。
これからはダントツの国家は出てこない。それでは日本はどうしていけばいいのか?そんなことを考えるヒントを与えてくれる。「目から鱗」という気がする。やっぱり過去の歴史にその答えが見つかるのではないかと思う。「浜矩子」これから注目して行きたい人という気がする。
日本のように成熟した国が何時までも成長成長と成長至上主義を標榜しているとかつてのイギリスと同じように銀行の大合併、企業の大合併、海外への資本移転、資本投資、工場の移転、労働力の海外での確保。気がついてみたら何々ホールディングスという会社ばかりになってしまう。若くて成長力のある若者の国は成長成長と言っても良いが、日本のような成熟した国はフローよりストックをいかに分配するかを考えて手を打っていかないといけない。今までの政府、官僚が言ってきたこととは全く反対のことを言っている。