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リーラ 神の庭の遊戯

書名:リーラ 神の庭の遊戯
著者:玄侑 宗久
発行所:新潮社
発行年月日:2004/8/30
ページ:221頁
定価:1400円+税

飛鳥は二十三歳で突然自らの命を絶った。3年前に自殺した女性のことを思い出す人々の回想を綴っている。飛鳥の死を受け入れられないまま3年を過ごす母親。離婚し既に再婚して富士山麓に住んでいる父親、飛鳥に執拗につきまとっていたストーカー、飛鳥からストーカーについて相談を受けていた男友達。そして姉は何故死んだかを考え続けている弟、その恋人。
そして三年後の命日の前日、彼女はかすかな気配となって現れる。この世の出来事はみな神の戯れ・・・・

作者の玄侑宗久は、僧侶である。彼の作品は、芥川賞をとった『中陰の花』をはじめとして、死と死後の世界を描いたものが多い。『リーラ 神の庭の遊戯』もそうである。