書名:あの日の桜吹雪よりも
著者:高野 裕美子
発行所:毎日新聞社
発行年月日:2007/4/30
ページ:237頁
定価:1600円+税
「あんな所にもこんな所にも桜があったんだと、この季節になると―毎年そうなのだが―人は桜を見直すのだ。」(本文より)
今年もやっぱりそんな思いで桜をみたところがいくつもあった。普段目立たないけれどその季節になると見えてくる。そんな桜花。
物語は主人公川名真由子、ファション誌「リベルテ」の編集記者独身。4年前に北海道の高校の同級生の夏樹を同じ同級生川上麻美に奪われてしまう。
東栄新聞社の記者夏樹は川名真由子の祖母が昔々住んでいた岡山県の山村で起きた白骨死体発見事件の真相を取材する内に重大な事実に気がつく。それは祖母との関わり、でもその真相を明らかにしないまま夏樹は真由子に黙って、北海道の羊ヶ丘に引き籠もってしまった。
横浜の元町、六本木などを舞台にファションの世界、など話がばらばらと散らばってちょっとついて行きにくい感じのところがあるが、どちらかというと恋愛ミステリー小説と言えるのかな。著者は2008年2月に50才で亡くなっている。