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無理

書名:無理
著者:奥田 英朗
発行所:文藝春秋
発行年月日:2009/9/30
ページ:543頁
定価:1900円+税

ゆめの市という町村合併で出来た人口12万人の寂れた地方都市、この地でいろいろ鬱屈を抱えながら生きる5人が関わっていく。相原友則は県から出向してきて生活保護課に勤務するケースワーカー。弱者の主張する身勝手な要求に嫌気がさしている。久保史恵は東京の大学に進学してこのうっとうしい町を出て行こうと決めている高校2年生。加藤裕也は暴走族上がりで詐欺まがいの漏電保護装置を売りつけるセールスマン。堀部妙子はスーパーの保安院のパートをしながら新興宗教の信者、山本順一は祖父の代から続く地元を地盤にしていつ市会議員。近く県会議員に打っているでるつもり。この5人を章を変えながら物語が展開する。地方都市で起こる貧困、暴力、詐欺、暴走族、誘拐、援助交際など悪を扱った物語。昨今どこにでも出て来るキーワードを羅列した感じです。ちょっと話が飛びすぎてついていくのが大変。そして最後の結末がよく分からないところで終わる。ちょっと手抜きが感じられる。